新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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手塚治虫名作集 4 マンションOBA

書影は文庫版しか見つからなかったけど、読んだのはハードカバー版。

 
比較的長めの短編7編が収録された名作集。
 
巻毎にそれとなくテーマが揃えられてるのか、
土地開発や自然破壊がベースになった作品が集まっている印象。
そういう昭和のモーレツな世相の元で描かれてるからかもしれないけど。
 
個人的ベストは「二人のショーグン」で。
なかなかに妙な展開を示すファンタジー
自分自身は人間の姿のままに見えて(周りからは猫に見える)
他の猫も人間に見えるあたりの描写が、「綿の国星」とはまた少し違うアプローチで面白かった。
 
第2位は「てんてけマーチ」で。
いろんなテーマが読み取れる作品だったし、なかなか感動的だった。
 
自然破壊テーマの中からは「はなたれ浄土」と「モンモン山が泣いてるよ」を同率3位で。
ファンタジーなんだけど意外に現実的な前者と、
わりとストレートな批判精神が読みとれる後者。