新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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藤子・F・不二雄異色短編集 1 幸運児

 
もう間違いの無い面白さ保障の藤子Fの異色短編集。
 
ひとつひとつはシンプルと言えばシンプルなんだけど、
必ずぐっと引き込んでくれる独特なアイデアが盛り込まれてるので、
短編漫画としての完成度が非常に高く感じられる。
 
お気に入り作品を十作選んで、一言コメントやってみよう。
 
「オヤジロック」
タイムマシンの使い途の妙と、オチの可笑しみ。
「じじぬき」
極端な展開からの、これ以上は無いオチが、ばしっと決まる。
「自分会議」
ひょうひょうとして唐突なオチからの、最後のコマの描き方に絶句。
「劇画・オバQ
自己パロディながら、この哀愁は傑作以外の何者でもあるまい。
ミノタウロスの皿」
逆転のアイデアをここまでの作品に仕上げられる凄さ。
「一千年後の再会」
時間と宇宙が隔てたはずなのに、ロマンチックが止まらない。
「ヒョンヒョロ」
あの見開きのコマの衝撃ときたら……!
「わが子・スーパーマン
この作者だからこそ意味あるようなこの作品。
「コロリころげた木の根っ子」
オチは読めてても、この描き方と題名にしびれる。
「やすらぎの館」
異様な雰囲気に呑み込まれてしまう、藤子A的作品。