かがみの孤城
今更ながらの超有名本屋大賞作品。
そんなわけで、長い長い待ち行列の果てに、
ようやく図書館の順番が回ってきたわけだけど、それだけ待った甲斐があった。
いやあ~、良かった。
不登校の子達を現実で描こうとすれば、どうしても痛い話にならざるを
得ないだろうが、こうしてファンタジーの世界の中で描かれれば、
読者としても受け容れやすくなってると思う。
しかも、ここまでミステリ的趣向が効いている作品だとは思ってなかったので、
そこはとても嬉しい誤算だった。
世界の謎自体は充分想定してたものではあったけど、
伏線から導き出せたはずの回答には思い至ってなかったし、
そこがそう繋がるのかという、ラストの清々しい驚きも味わえたし。
まぁ、鍵の在処だけは、これなら初日に見つかってもいいくらいのもので、
少なくともしらみつぶし作戦の際に見つかってないはずはないやなと、
ご都合主義は感じずにはいられなかったけどもね。
でも、とても気持ちの良い作品。
本屋大賞の趣旨に見事に合致していて、受賞も納得。
充分ミステリだと思うんだけど、そうは分類されないよね。
それに倣って年間ベスト表には加えないけど、採点は7点。
いや、読後感の良さを加味すれば、8点でもいいかも。