- 作者:浅見 克彦
- 発売日: 2015/12/17
- メディア: 単行本
膨大な作例を元に、時間SFを分類して紹介する評論。
「文法」という題名にはなっているが、
前半は確かに時間SFの分類から、その形式が論じられていて納得するが、
後半は物語論になってきて、だいぶ逸れている感じがする。
この本に期待してたのは前半部分のような点だったので、
第1章の「ジャンルを俯瞰する」が一番の醍醐味で、
あとはだいぶ冗長な印象を受けてしまった。
一覧で俯瞰できるような分類図みたいなものも欲しかった。
すべて文章でしか表現されてないので、要点としてまとまってない。
これも冗長な印象を与えている一因だろう。
紹介されてる作品の多くが完全ネタバレで書かれているのは、
賛否両論あるだろうが、個人的には良いと思えた。
ある程度の作例を読んでないともったいない話にはなってしまうが、
中途半端なおあずけ感がないので、もどかしさを覚えずにすんだから。