高橋聖一のよいこのSF劇場
タイトルに名前入りの割には、全然聞いたことのない作者だし、
正直あまり期待してなかったんだけど、意外と楽しめた。
作者のとっておきのネタだったという、冒頭の「紙製地球救出装置」の
着想がとにかく秀逸。
時間物全体をパロディ化させたような着想だから、
きっと誰かが書いているか、作品として書かれてはいなくても、
ジョークネタとしては挙げられていそうではあるけれど、
自分としてはおそらく初見で、目からうろこ的な驚きを味合わせてくれた。
当然ベストはこの作品だとして、次点は「パスタでわかる世界消滅」で。
主人公が対(ペア)と認識した物の片方が、異次元に消滅するというルールがユニーク。
ハチャメチャな破壊テーマかと思いきや、矮小な純情ラブコメに収束するギャップも味。
ほぼ全面破滅テーマでありながら、おとぼけユーモア感たっぷりで、
読み心地は結構爽やかだった。