いけない
そうか、リドルストーリー仕立てではなくて、解けるようになってたのね。
初出の「蝦蟇倉市事件」の時には、特に気にしてなかったよ。
こういう趣向だったのか。でも多分めんどくさいから挑戦はしてないな。
秀逸なTV番組である「放送禁止」のやりくちを
小説版として実践したような作品。
各短編の最終ページの写真を読み解けば、
短編内で明かされなかった謎が解けるという趣向。
一応、最終話を読めば、答え合わせにもなっている。
最終話の謎解き自体は、一目瞭然なので、答え合わせ不要だし。
この体験型ミステリーという趣向は秀逸だが、
短編の中でほのめかしはされてるので、さほど意外性としては高くはない。
なので、この趣向としては第3章「絵の謎に気づいてはいけない」がベストだが、
短編としては圧倒的に第1章「弓投げの崖を見てはいけない」が良い。
様々に施された叙述のテクニックが凄い。めんどくさい趣向がかえって仇にも思える。
その叙述と、形式の珍しさを評価して、採点は7点。
2019年度ミステリ順位表のベスト10入り。