新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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カイジ ファイナルゲーム

01/18(土) イオンシネマ新百合ヶ丘にて鑑賞。
 
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原作の完成度が高ければ高いほど、人気作品の完全オリジナルストーリーとなると、
地雷を踏みがちだが、福本伸行自身が脚本に携わってるだけあって、ギリギリで
踏みとどまっている印象。
 
とはいえ、たとえ原作者の脚本でも、いやあ、面白かったぁ~、
と満足して言えるほどの作品ではなかったな。
 
一番の不満はヒリヒリするようなギャンブルの緊張感が無かったこと。
メインのギャンブルが「最後の審判(人間秤の方がしっくりくるね)」なんだけど、
これって全然ギャンブルって雰囲気ではないものね。
カイジも自分で張ってるわけではないし。
どう逆転するかと思いきや、あちゃらの方向にぶっ飛んでいくわ、
挙げ句の果てには、あれだけ積んでてそれ?と違和感しかない。どんな精密秤やねん。
 
まぁ吉田鋼太郎の圧巻の一人舞台を堪能するってところが醍醐味だな。
 
ドリームジャンプは命張ってるはずだけど、伏線がわかりやすすぎて、
これまた緊迫感はゼロ。
 
ゴールドジャンケンも、頭脳戦っぽい雰囲気作りだけで、
意外性のかけらもなくて、堪能はできず仕舞い。
ただ、後で考えればなるほどと思える展開(本来なら一戦目で勝てたはず)が
仕込まれてるので、あながち否定ばかりもできないけど。
 
ただまぁ、裏でこれだけ準備してました、なところがしっかり構成されてて、
その辺でようやくギリギリ踏みとどまった感じ。
最近の監禁物あるあるの「やたらと実況中継しがち~」は本作でも健在。
 
「どうせおまいらこんなん好きなんやろ」な
CMで流れてたビールをあおるセルフパロディは、
TV見てて若干の不快感を覚えてたけど、使い方は意外に良かったので、印象は反転。
 
ところで、全編見終わって気になったのは、
本作には「ファイナル」である理由が全~~~く無いこと。
 
きっと作る気満々だな(本作の興行収入次第だろうけど)。