新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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トゥルーマン・ショー

06/09 TOKYO MX2 放映分。

 
これまで見逃してきた有名作品。
 
やはり、この着想が素晴らしい。
 
胡蝶の夢」や仮想現実のように、現実と虚構というものに対する、
一つの新しい形を提示している作品だと思う。
 
そして、自分が思うには、それらの試みのほぼことごとくは、
ファンタジーをもたらす側に作用していると解釈可能だということ。
 
つまりは、現実を虚構の中に放り込もうとする方向。
この現実が誰かの夢なのではないかと想像すること。
仮想の虚構世界に入り込むことを実現するためのVR
 
そして、やはり本作も、トゥルーマンショーの観客のように、
外側からファンタジーとして、ただ単に眺めるというだけではなく、
(これならば、虚構を現実に取り込む方向の働きだけ)
もしも自分もと、ついつい考えてしまう、
現実がファンタジーに溶け込む想像を一度はさせてしまうような、
そういうところが秀逸で、支持をこれほど集めたのではと思ってしまう。
 
ジム・キャリーのキャラクタ性もピッタリ合ってて良かったなぁ。
陽気さと人の良さが完璧に表現できていて、
でも、周りから浮き上がって見えるほど、ちょっとだけ人工的で。