新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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進撃の巨人 ATTACK ON TITAN/進撃の巨人 エンド オブ ザ ワールド

'18/12/22 日本映画専門チャンネル放映分。

 
こりゃあ、宣伝の仕方を間違ってたんじゃないか。
原作をベースにしてるけど全然別作品だってこと、ちゃんと事前に知らせてくれなくっちゃ。
原作の映画化だと思って観に行ってたら、そりゃあ怒りたくなるわな。
 
ハリウッド化と似たようなやり口だけど(そういや、ホントにこれもなるみたいだしね)
それなら大抵たかだかモチーフにすぎない程度なのに(本作もきっとそうなるんだろうな)
こっちは余りにも原作の要素を残しすぎてるのも、かえって良くないよ。
違う部分だけが強調されて感じ取れちゃうから、文句も付けたくなるもの。
 
公開当時はまだ謎の提示がメインで、なかなか収束する方向に行かない原作だってのは
みんな知ってたんだから、映画用のオリジナル作品だってのをはっきりと謳って、
出来ればもっと大胆に改変してくれた方が観客も落ち着いて見られたんじゃないかしら。
 
デスノート前後編みたいに、原作を充分に活かしながら、改変した部分も傑作、
という希有な例外があるにはあるけど、あれほどの脚本の力が本作には決定的に欠けてる。
 
脚本もそうだけど、演出も。
白い部屋(笑)。白い服(笑)。白シャンパン(笑)。
石原さとみのエキセントリックさを代表として、
長谷川博己國村隼のオーバーすぎる演技も空回りしてる。
主演の三浦春馬はずぅ~っと一本調子だし。
 
シン・ゴジラ」で、現実と虚構をあれだけ高揚感と爽快感をもって
描けた監督の作品だとはとうてい思えなかったな。
 
特撮は良かったと思うけど。
それだけ。