新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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TSUTAYAの新作・準新作5本1,000円で鑑賞。
全部新作で選んだんだけど、中で流れる予告映像見て、
1本は「若おかみは小学生」を選べば良かったと小後悔。
(アニメは別フロアになってるから気付かなかったよ)

 
全編がPC画面の中で展開されるという、
語り口が売りの作品だと思って油断してたら、
なかなか練られた脚本だったことに、心地よい驚きを感じることができた。
 
メメント」や「ユージュアル・サスペクツ」のように、
優れたサスペンス映画は、語り口のユニークな作品こそ特に、
そのプロット/ストーリーも素晴らしいという、
良き前例に、また新しい一例を加えてくれたと思う。
 
こういう新しい見せ方って、近年ではサスペンス映画もしくは
ホラー映画(ただし、こちらも序盤で謎が提示される作品が多い)
から始まることが多いように思う。
昔はちょっとぶっ飛んだ若者達を描く青春映画が、
そういう新しい切り口を開いていってたようにも思うけど。
この辺真面目に考察すると、ちょっとした映画論の入り口になるんじゃないのかな。
 
とにかくPC画面の中だけで、どう映画を成立させるのか、
という興味を満足させるだけでなく、
きっちりとしたサスペンス映画の骨格が盛り込まれてて、
驚きのどんでん返しも味合わせてくれるだなんて、もの凄く儲けた気分。
しかも嬉しいことに、後味の良い作品でもあった。
 
前者の興味では、カーソルやタイピングの動き(スピードも含めて)で、
感情の動きすら表現するという小技もお見事だった。
 
新しい手法の名作サスペンスに脱帽!