新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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金田一37歳の事件簿 1巻~2巻

金田一くんに興味無い方、延々の連投ごめんなさい。
これでとりあえず出し切ったので、もう当分は無いはず。

 
というわけで一気に37歳へ。
(以下は、事件のネタバレは無いけど、キャラのその後の話には触れてるので、
 自分の目で確かめたいけど未読って方は、読まないことをお薦めします)
 
やはり一番気になるのは美雪との関係。
金田一が独身のままだってことは、美雪はとっくに人のもの
(ひょっとしたら明智の嫁とかあり得るかも)だと勝手に思ってた。
直接的には登場せず(SNSでのやりとりの文面だけ)だったけど、
どうもあの頃の関係がそのまま継続してるような描き方のよう。
37まで抱けないままで、友達以上・ギリ恋人未満の関係が続くなんてあり得んよなぁ。
どんな下半身去勢ファンタジーですかっつうの。いくらセックスレスの時代とはいえ。
 
ただもう一つの方(地獄の傀儡師)は、ちゃんと進展してた。
天樹征丸がとっておきのネタを思いついたら、顛末も描かれるんだろうな。
(その時が来たらきっと気合い入った作品なんだろうから、期待度大だな。
 謎解きたくない、の心理的背景はそこで描かれるんだろうか?)
 
しかしまぁ、明智が付いてて、こんな杜撰な管理体制は絶対あり得ないけどね。
せめて一人を洗脳して傀儡として使ってるなど、少しは無理を削いで欲しかった。
便利なツールとしてどこまでもしゃぶり尽くしたい所存と見える。
弟子ネタ乱発も出来る土壌を作っておいて、なおかつってのが少々セコい気も。
 
本題に戻れば、事件自体はたいしたことは無かった。
ハウダニットはこれまでのパターンの焼き直しみたいな物ばかりという印象。
そのかわり高校時代との違いを強く打ち出すように、
セルフパロディを確信犯的に意識したシチュエーションの目白押し。
ひいてはミステリそのもののパロディになってたりもするけれど。
 
次の話は倒叙物みたいだし、ミステリとしての期待感は更に薄い。
 
新相棒もキャラとしての存在感は全く無いし、
美雪が結局居座ってる以上、ロマンスの色味も出せないだろう。
37歳に一気に飛ばすという、大きく振り切った突飛さの割には、
シリーズとしての新しい魅力は見えてこなかった。
 
売りはパロディ色だけ?
制作陣、そのうち後悔しないかな?
普通に結婚させて、子供とか登場させといた方が
(37歳なら、子供の年代も複数設定出来るし)
展開の幅は広がったんじゃないかと思うけど。
 
そんなありきたりにはしたくなかったんだろうなぁ。