新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

救済 SAVE

救済 SAVE

救済 SAVE

 
昨年刊行の最新作。
これまでアンソロジーで読んできた短編は、いずれも切れ味鋭いものばかりだったので、
一度まとまって読んでみようかと、最新作を選んでみた次第。
短編一つを表題にしたわけではなくて、タイトルは全編を貫くテーマでもあるようなので、
感動できるような作品も含まれているかもと。
 
ただ、その思惑は少なからず失敗だったようだ。
普通に「傍聞き」や「教場」から始めたほうが、きっと良かったなぁ~
 
どんでん返しにこだわる作風が災いしてるように思えた。
まず核となるワンアイデアが結構透けて見えてしまう。
あっ、これだけを使って、話を作ろうとしたんだろうなと。
で、そこから驚きにつなげようとするために、
無理くり感ありまくりの、いびつな作品になってしまってる印象。
 
お得意のホワイの意外性が、説得力を持ってないなぁと。
なので、リアルな作風なのに、リアリティが今ひとつ感じられない。
 
ベストは二つの意外性を盛り込んだ「夏の終わりの時間割」だな。
 
採点はごくごく普通の6点。