メーラーデーモンの戦慄

メーラーデーモンの戦慄 (講談社ノベルス)

さほどエロくはなかった作品ながら、
エロミスならではのトリックは炸裂。
　
それに加えて、現代ならではの珍妙な叙述トリックやら、
読者への挑戦状やら、
論理パズルみたいな、ねちっこい絞り込みロジックやら、
過去作品の総ざらえ的なリンクの盛り込みようやら、
色々と凝った作品であることは間違いないんだけど、
この作者の作品としては満足感はそれほど高くはなかったかなぁ。
　
読者への挑戦状があるくらいなので、
本書はロジック小説ではあるんだけど、
最後の決め手のロジックは比較的シンプルなのに、
そこに至るまでの延々としたロジックが無駄が多い複雑さだったりして、
すっきりさを感じさせてくれなかった。
　
かなり苦労して作られた作品に思えるんだけども、
その苦労を読者としてはあまり楽しめなくて、採点は６点。