- 作者: セバスチャンフィツェック,Sebastian Fitzek,酒寄進一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2018/03/28
- メディア: 単行本
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この売り文句にまんまと釣られてしまったわけだが、
これはかなりあざとかったなぁ。
一旦解決したと見せて、更にその裏に本当の真相が隠れてる、
なんてのは、ミステリとしては非常にオーソドックスな王道パターンで、
そんな本は毎年幾らでも出版されている。
そんなミステリにいちいちこういう惹句は付けないだけで……
とはいえ、意外な真相の『つるべ打ち』ではなかったけれど、
ここまで紛れの無い、唯一無二の解が示されるのは心地良い体験。
とにかく最初の真相解明に至るまで、読者としては五里霧中だった。
いったい何が起きているのか、さっぱりわからない。
結構もどかしい読書体験だった。
で、真相解明で、ようやく何が起きてたのかがわかると。
あまり心地良い解決ではないのだけれど。
で、そこから更にその奥の真相というのが、本書のウリなわけだけど、
どんでん返しとかの、今までの様相ががらっと変わるような展開ではない。
その真相自体はたいしたことは無いのだけど、でも、それでもね。
ああ〜、そうだったのかぁ〜と、きっと思う羽目になる。
何に対して思うのかは、読んでからのお楽しみということで。
そういうカルト感のある作品かもしれないということで、採点は8点としよう。