- 作者: 林泰広
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/12/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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(「Y駅発深夜バス」は発売すぐ購入して読了済みなんですが
なかなか感想が書けずにもう長い間過ぎてしまいました)
しかもとってもマイフェイバリットな、「見えない精霊」の作者。
鮎川哲也編「本格推理」出身者の中で、最も注目していた書き手の一人。
新人の登場に心震えたのは、麻耶くん以来だったのに、そのあと
作品が続かなかったのが残念で仕方なかったお方。
その渇を癒やすかのように登場してくれたのかと思いきや、
う〜む、しかし、あまりにも作風の違う本作は結構微妙。
ロミオとジュリエットの新解釈が毎回出てくるあたりは
とても興味深く面白いが、事件との関連性がさすがに薄すぎる。
事件自体もあまり意外性もなく、薄いものばかりだし、
推理ではなく、単なる「思いつき」にすぎない解き味。
今後の期待を込めて、ギリギリの7点。
やはりこの人は、奇想の手順で書かれた作品を読ませて欲しい。
ところでこの流れで、もう一人の要注目作家、園田修一郎の
デビューは果たせないものだろうか。
「本格推理」「新・本格推理」の収録作だけで編んでも、
年間ベスト級の超絶短編集が編めるというのに。
ボーナストラックとして、新作を1、2本は欲しいけどね。