おあとがよろしいようで

おあとがよろしいようで (少年サンデーコミックススペシャル)

あだち充の連載作品の最終回だけを集めた作品集。
　
簡単な解説とストーリー紹介に作者インタビューも
ついているので、ざっと軽く全作品の雰囲気はわかるかも、
という効用もあるかもしれない
　
こうして全体を俯瞰すると、あだち充の連載の閉じ方が、
なんとなく見えてくるようで面白い。
　
全体的に最終回でクライマックスを迎えるという感じではなくて、
後日談的な穏やかな雰囲気で閉めることが多い。
それにはっきりと結末を描き上げるのではなくて、
暗示で余韻を持った終わり方にするのがお好きな様子。
　
あくまで「最終回としてどういう描き方をするか」
という観点で、自分の好きなベスト３を選ぶとすると、
ベストは間違いなく「ラフ」だな。
はっきりと結末を描いたパターンになるかもしれないけれど、
この構成はもう完璧なんじゃないの。
　
第２位は「陽当たり良好」だな。
「だから今は高杉勇作を応援する」というあたりの
台詞が、くぅ〜〜〜、いいよねぇ。
　
第３位は「じんべえ」と「虹色とうがらし」と
迷ったけど、全部を描かずに最終コマだけで
さりげなく結果を示す「タッチ」にしよう。