新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

楽園島からの脱出・楽園島からの脱出II

こういう題名だと、単体とその続編のように思えるけど、
これは完全に上下巻で、二冊揃って一つの作品として成立してる。
 
一見脳天気なラノベジャンルのゲーム小説のように見えるけど、
なんか陰湿な感じを受けて、読み終えての気持ち悪さが色々と残った。
高校生集めての人畜無害なゲームのように思わせて、
決して鬼畜とまでは言えないけども、中途半端に中間レベルではある。
 
これならいっそデス・ゲームの方が、割り切って読める分不快感は薄いかも。
 
無理矢理爽やかにしようとはしてるけど、こんなん何も無い日常に戻れるわけもなく、
社会的に大問題になって、組織も壊滅しちゃうでしょ。
なんせ証人は百人もいるわけだし、ってフィクションに突っ込んじゃいかんけど。
 
ゲーム小説と割り切っても、そうすると二冊かかってとしては薄いかな。
展開は工夫されてて、読書のモチベーションは保てるけど、
組織側の誘導無しでこんなに上手くは進まんだろと。
組織側のキャラをまぶして、必然性を持たせて欲しかったなぁ。
 
脱出の最後のキーは読めなかったし、納得。
ここが良かったと思えたのが、なんとか救いだったかな。