新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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ヒトラーの描いた薔薇

何十年も出ないと思ってたら、立て続けに二冊。
いったい何が起きたんだ、このハーラン・エリスンのプチ・ブーム。
 
ただ本書に関しては、エリスンの入門書としてはふさわしくないと思うので、
初心者の方は既刊の二冊の方を推薦する。
 
エリスンの作品は100%飲み込めるということは無い。
たとえ大好きな作品でも、解説してくれと言われても、困るかもしれない。
どこが優れているのか説明してくれと言われても、悩むかもしれない。
 
でも、エリスンの短編は、とにかくカッコイイ。
 
曖昧な印象批評になっちゃうけど、その言葉が一番ふさわしく思えるんだよなぁ。
その魅力に一番惹かれてるんだと思うもの。
 
その点からでも、やはり本書のベストは表題作かな。
 
年代順収録になってるけど、特に後半に圧倒的にいい作品が
集まってるように思う。なんかイメージが複層になってるような印象。
 
そんな中からベスト3の残りの作品としては、
表題作以外に格好良さとしては「クロウトウン」と双璧をなす
「睡眠時の夢の効用」を選択しよう。
もう一作は自分のミステリ趣味と重なるので「解消日」かな。