新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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ラプラスの魔女

ラプラスの魔女

ラプラスの魔女

著者80作目の作家デビュー30周年記念作品。
 
これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。
そしたらこんな作品ができました。 ――東野圭吾
 
という帯の惹句もあって、興味を持ったのだけど、
この長さの割にはあまり得られるところのない作品だった。
 
いったいどこがぶっ壊したとこだったんだろうか?
この親子の描き方の突き放し方なんだろうか?
 
またクライマックスからのエンディングの
カタルシスの無さと言うか、何もない感がなんとも収まりが悪い。
以前の東野圭吾の器用貧乏な雰囲気を思い出してしまう。
面白くないわけじゃないけど、なんか魅了に欠けるよねぇってな。
 
このところずっとハイレベルな東野圭吾クオリティだったのに、
記念作品なんて銘打ってこれだと、ちょっと寂しい。
 
まぁ映像的な作品ではあるけれど、来年公開の映画って、
あんま期待薄かなぁ。
終盤は映画的なカタルシスで描かれることを望む。
 
採点は平々凡々な6点。