新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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図書館の殺人

図書館の殺人

図書館の殺人

いいねぇ、いいねぇ。
 
今までの中で一番わかりやすい作品だったんじゃないかと思う。
 
シンプルながらも、きっちりと筋道が立っている。
ロジックを説明されて、裏染の行動の意味が綺麗に理解出来るのも心地良い。
それぞれが見事に読者の上を行ってくれるんだよね(少なくとも私のようなぼんくらは)。
それでいて、状況の複雑さが無いので、すんなりと順を追って理解していける。
改め不足や飛びや抜けが気になるところも特には無かった。
 
論理のアクロバット性はそこまで高くはないかもしれないけれど、
その代わりといっていいのか、真相は結構アクロバティックだし。
 
動機のすっきり感が無いのだけが、唯一の欠点かなぁ。
 
でも、”身も蓋も無い館シリーズ”の中では個人的には一番好きだな。
 
採点は文句なく年間ベスト級の8点。