新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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真夏の方程式

03/26 フジテレビ放映分。

原作を読んだ感想では、自分としては珍しくミステリよりもそのドラマ性を
大きく評価してた作品だったので、映画としてはいけそうな予感を抱いていた。
 
少年と男という関係をベースにした成長物語ってのも、大きなポイントだし。
 
ただ、そういう期待感が逆にあったせいか、さほどではないかなぁと。
前作(容疑者Xの献身)で感じたような、満足感には欠けてたなと。
 
原作の欠点として感じていた動機の弱さがカバーされるどころか、
余計強調されてるような気がした。
そこの説得力が薄いと、どうしてももやもや感が解消されない。
通常のミステリとは異質の決着をみせる本作なので、
余計に観客をも巻き込むくらいの説得力を産み出さないといけないのだが。
映像として具現化させるのであれば、そこの工夫がもっと欲しかった。
 
すっきりと受け入れられるようには出来てなかったよなぁ。
 
成長物語とは別のところで、色々引っかかりを残す作品だったので、
素直に感動できない作りになってたのが、やはり残念。