新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい

こちらは文章がちゃんとしている。
なので、幼稚感が感じられなくて良かった。
(つい「ぼくは明日……」と同じような感じかと想像しちゃってた)
 
想像と違うと云えば、何か意外性の感じられる話なんだと、
勝手に思い込んじゃってた。
表帯の書店員の誰かのコメントに騙されちゃったのかな。
まぁ展開で一つ捻った点がないことはないけど、本質ではないしな。
題名の意味も、もっと違う角度から来るのかと身構えていたり。
 
そんな風に自分勝手にあらぬ方向にハードル上げてたりしてたので、
あっ、普通の話なんだと、少し冷めちゃったせいか、
涙腺緩むことなく、問題無く帰り道の通勤列車で読み終えることが出来てしまった。
(蛇口の締まりが弱い人間なので、ポツっと漏れ出る程度は覚悟していたのに)
 
奇をてらったような題名だけど、中身は奇をてらったわけではなく、
最初からこういう話だよと書かれてるとおりの、そのままの話です。
これから読まれる方は、素直にそのつもりでお読みください。
 
とにかく、この題名のインパクトが強烈だよなぁ。
でも、名前負けしてるということでもなく、
ちゃんと題名に込めた心情や救いの感覚は爽やかであるので、
結果、悪くない作品だったとは思う。