熱く冷たいアリバイ

原書房様からの頂き物。いつもありがとうございます。

熱く冷たいアリバイ (エラリー・クイーン外典コレクション)

今回の第一期（になると思うのだが）の中では、一番原典の雰囲気に近い作品かも。
他の二作がオリジナリティが強すぎただけに、地味なだけでそう思えるのかもしれないけど。
　
ただやはり謎解きの醍醐味は、本家には叶うべくもないか。
解説氏も指摘してるように、手掛かりによる推理とは言いがたい。
でも、ロジックの面白さとまでは言えないまでも、
事件発生後は捜査や推理が本書の大部分を占めているので、
興味を持って読み進められる。
　
それだけ事件の検討にページを割いてるにもかかわらず、
真相の構図にはそうやすやすとは辿り着けないだろう。
　
このあたりの巧妙さや、伏線の出し方・隠し方が
解説でも語られているように、原典の雰囲気を醸し出してるのだろう。
　
本作の採点は７点。
それぞれに個性的な作品が揃った第一期だった。