- 作者: 大山誠一郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/09/19
- メディア: 単行本
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大山誠一郎、凄すぎる!!!!!
この人の才能は頭抜けている。
現代の日本ミステリ界では、麻耶雄嵩とこの人が突出してると思うけど、
いざ犯人当てという点に限っては、明らかに日本最高。
薔薇荘や達也や密室シリーズの頃の鮎川哲也と並ぶ、
いや、あるいは歴代最高と称しても構わないかもしれない。
「本格警察小説」なんて見当違いの惹句に騙されてはいけない。
警察小説という言葉に惹かれてしまった人とか、
「推理小説とか警察小説と謳う以上、”小説”として……」
などと語りたくなるような人などお呼びじゃない。
本書は安楽椅子探偵物のド本格以外の何ものでもない。
その意味においては、五つの短編、そのいずれもが傑作レベル。
真の構図が明らかにされたときの驚きが、いずれも超弩級。
どういう着想力を持っているのだろう。奇跡の人だ。
麻耶雄嵩のように、既存の枠を切り開いて、
新しい世界を創造していくタイプではないけれど、
既存の枠の中で考えられるMaxを常に提供してくれる。
文句なしに昨年の年間ベスト。
9点付けようかとしばし悩むほどの高レベルの8点。