原書房様からの頂き物。いつもありがとうございます。
だいぶ前に読み上げていたのに、感想書き忘れてました、ごめんなさい!
- 作者: 深水黎一郎
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2015/06/30
- メディア: 単行本
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一つの作品の中に、姑息な犯人当てを十数通りも詰め込んだミステリ。
『多重解決の極北!』という謳い文句に偽り無し。
とにかくあこぎな犯人当てを好んで読んできた皆様、
本書はあなたのために書かれた本かもしれません。
男女どちらとも取り得る名前を見たら、まずは性別誤認を疑う。
それがなくてもとにかく性別誤認を疑う。
呼び名が微妙に変わってたら、一人二役、二人一役を疑う。
それがなくてもとにかくこっそり隠されてる人がいないか疑う。
人の描写に疑問を感じたら、動物じゃないかと疑う。
動物の描写に疑問を感じたら、人じゃないかと疑う。
一人称で章をまたいだら、まずは同一人物かどうか疑う。
とにかく章が変わったら、時制が変わってないか疑う。
etc. etc.
そんな習性をお持ちのあなたのことですっ!
”姑息な”作品、”あこぎな”作品、
とにかくあの手この手で”たぶらかす”作品、
そんな作品に騙され続けてきた(あるいは見破り続けてきた)あなた。
あなたが引っかかる箇所は全て拾いまくられるに違いない。
斜め上すぎる引っかかりに、そこまでは読めないと思うことも必至。
もうやりすぎなあの手この手に、笑うか怒るか感動するか?
もう脱帽しました。8点あげちゃうっ!