新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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エイトハンドレッド

原書房様からの頂き物。いつもありがとうございます。

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「経眼窩式」の作者の第二弾。
前作に続いての医学物で、またもやホラー描写があるかもと身構えてしまったが、
そういうグロさは全く無く、私みたいなへたれでも安心。
 
医療業界の裏稼業をベースにしたサスペンス
(フーダニットやホワットダニットという要素は持ちつつも)
という骨格は今回も同じ。
意外な構図を見せてくれるという点でも。
 
その面で云えば、本作は前作を越えているかも。
ある意味、本書全体がミスリードだったんじゃないかと思えるくらい、
壮大な構図を見せつけてくれるからなぁ。
ファンタジーか、SFの世界に片足突っ込んでるくらいの。
 
とても辿り着けるはずもないものを二つも成立させてたりとか、
突拍子、かつ都合良すぎな、トンデモ臭は拭えてはいないけども、
この非魅力的なタイトルや、とあるネーミングなどが、
実は伏線としてきっちりと生きているあたりは小憎らしいなぁ。
 
とにかくこのぶっとび度合いは素敵。
一方、主人公に対しての逆転の仕込み方など、手順に筋の悪さが
感じられたりするので、ミステリとしての採点は6点。