新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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インフェルノ(上)(下)

インフェルノ (上) (海外文学)

インフェルノ (上) (海外文学)

インフェルノ (下) (海外文学)

インフェルノ (下) (海外文学)

ホントはこういう思考手順を踏んじゃうと面白くないんだけど、
ダン・ブラウンのことだから、突拍子もない意外性なんだよなという、
裏ワザのショートカットみたいな考え方をついついやってしまった。
 
そんなわけで、ええっ〜というような意外性は感じなかったけど、
それでもこれをどう成立させるんだろって思ってたところは、
やりすぎなくらいやってたのねと、そういう驚きは味わえた。
 
それに、まんまと叙述のミスリードにも、引っかかってしまってたぜい。
(映画でこのミスリードをちゃんと活かせられるかな?)
 
前作「ロスト・シンボル」は不調だったけど、
本作はなかなかの快作だったんじゃなかろうか。
題材も演出もいかにもなハリウッド映画だし、
映画でもまた一稼ぎするんだろうなぁ。
 
人口増加のグラフも結構衝撃的。

 
ただ、終盤の展開(”インフェルノ”自体の謎解き)はどうなんだろ?
あんましハリウッド的ではないような気もするけどね。
メインの謎解きの後が結構長かったから、もう一つ大どんでんがあるんじゃないかと
思ってたけど、どんでんが無いという逆どんでんだったからなぁ。
 
続編前提のラストなんだろうか?
海に出て戻ってきたあたりの行動は怪しかったし。次作の伏線かな?
(何年かかるんだ!という話はあるけど)