- 作者: 本格ミステリ作家クラブ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/06/05
- メディア: 新書
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そんなだから、ひょっとして「ぼくちんのセレクト、センスあるでしょ?」な
独りよがりな選出になってんじゃないかと危惧したが、
全部本格ミステリのエッセンスに満ちた作品ばかりで安心した。
疑ってごめんなさい。
とはいえ、小粒っちゃあ小粒な作品ばかり。
(まぁそういう年が多いのが現実だけど)
そんな中でのベストは、もう迷うことなく
「あれは子どものための歌」(明神しじま)だな。
ファンタジーな作風がとってもいいところを突いてる感じ。
そこからいきなり論理パズルに落とす当たり、拍子抜けになりかねないのに
なんだかコントラストが効いてる感じで好感触にも思えたり。
この作者は短編集が出たら読んでみたいかも。
第二位も迷わず決定。
「ディテクティブ・ゼミナール 第三問 ウェアダニット マリオネット」(円居挽)
こちらもパズル作品なんだけど、趣向を貫いて更にもう一つ、という
積み重ねのくすぐりが、上手く本格ミステリ者の心を掴む。
ベスト3の最後の一角はいつも悩みどころ。
最後は余計に転がしすぎてすっきり感が無くなっちゃったけど、
「犯人は私だ!」(深木章子)かなぁ。
評論の「本邦ミステリドラマ界の紳士淑女録」(千街晶之)も
良かったんだけど、ダイジェスト版みたいな駆け足だったのが残念。
もっと範囲(歴史)を拡げて、図版入りの一冊のガイドブックで読みたいな。
採点は小粒ながらも、なんとか7点確保。