新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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キャビン

TSUTAYAの旧作100円で鑑賞。

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メタ構造のホラー作品。
 
普通のホラーとは全く違う構造で、入れ子構造で、
ホラーとホラーを作り上げる世界とを交互に描いている。
自己言及がさほどされているとは言えないかもしれないが、
描写としてはあからさまに意識した作品であることは間違いない。
 
そういう作品であるからこそ、
自ずとホラー映画のパロディと化してしまうわけなのだが、
単純なお笑いではなく、オマージュの愛に満ちているように感じられた。
 
ってなわけで、全然怖くはないので、チキンな人間でも多分安心。
終盤血みどろぐちゃぐちゃの大殺戮シーンもあったりするけど、
グロさというより、ユーモラスさを感じてしまうくらい。
 
そういうそんじょそこらには無い面白さは味わえるわけだけど、
こういう謎めいた入れ子構造を取ってるくせに、かなり早い段階で、
真相に言及しちゃうってのはいかがなものかと。
意外性を愉しみたい気持ちはすっかり持って行かれちゃったよ。
まさかそのまんまってことはないだろって思ってたら、
まさかまさかのそのまんまだった。
 
最後まで真相は引っ張って欲しかったよぉ〜
(最後の最後でこの真相解明で満足できたかというと別だけど
 まぁきっと笑えたとは思えるからなぁ)