- 作者: 市川哲也
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2013/10/12
- メディア: 単行本
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名探偵という”存在”を現実の中に組み入れ、描き上げた人間ドラマ。
……というのは、自分にとっては決して褒め言葉ではない。
私が第一の評価軸に置く”本格ミステリ”ではなく、
それ以外でのベクトルでの評価だからだ。
とにかくトリックがショボイ。初心者レベル。
逃げ道の反論と、それを潰す論理ってのが執拗に描かれてはいるけど、
ミステリとしては枝葉末節な部分に思えてしまうんだよなぁ。
なんかモグラ叩き的で、全般的にすっきりした説得力に欠ける。
人間ドラマとしてもなぁ。
名探偵をベースにして、ドラマチックにしようと思ったら、
二、三番目に思い付くよな着想だし、やっぱ説得力に欠けてるし。
鮎哲賞はドラマじゃなくて、ミステリとしてとんがった作品であって欲しいよ。