新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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Q.E.D. 45巻

珍しく正統派のミステリ短編の揃い踏み。
「金星」は犯人は分かりやすいが、トリックはすぐには気付けないレベル。
仕掛けを回収する手段が綺麗にはまってて、シンプルながら良いハウダニットかと。
しかし、これだけシンプルでピタリ嵌まってると、前例ありそうだなぁ。
金星の話との絡み方はイマイチだったように思う。
「初恋」は深読みし過ぎちゃった。でもそれには理由がある。
だってこの犯人のトリックには無理があるんだもの。
最初に誰だか確認する方が普通だと思うんだが、そうされるとおしまいだよね。
通常は発見者の一人が犯人で、もう一人には顔を確認させないように誘導するってのがセオリーのトリックだろう。
よくあるトリックのアレンジではあるが、残念ながらその点では失敗しているかな。