新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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山沢晴雄先生ご逝去

SRの会メーリングリストにて、昨朝9時43分に山沢晴雄先生がお亡くなりになったことを知りました。血液の癌だったそうです。
 
55周年全国大会で初めてお目にかかれて、その後年賀状のやりとりをさせていただいてました。
今年は昨年の5月から入院されてるという内容だったので心配していたのですが、本当に残念です。
私は参加できませんでしたが、昨年の60周年全国大会でも犯人当てを執筆なさってたのに。
 
大学時代に日本古典短編の面白味に目覚め、場末の古本屋をツアーのように巡っては、「宝石」誌を漁ってました。
そんな「宝石」の中でも自分の中で特に宝石のように輝いていたのが、山沢先生であり、狩久や楠田匡介でした。
山沢先生を思うと、あの何回も何回も通い詰めた古本屋の黴くさい空気が、懐かしく思い出されます。
 
失礼をお許しいただきたいが、不器用な書き手だったかもしれない。
でも、不器用なくらいに真っ直ぐに書かれた本格こそが、本当に輝く本格ではないだろうか。
本格を、トリックを、とことんまで突き詰めた、過剰なまでに純粋すぎる本格。
 
自分はそういう本格を愛するし、だからこそ山沢作品を愛していた。
 
 
安らかにお眠りくださいとは言いません。
あちらの世界でも、うんうんと唸りながら、新しい作品を生み続けててください。
いつか読ませていただきに参ります。