新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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藤子・F・不二雄―ビッグ作家究極の短編集

藤子・F・不二雄 (ビッグコミックススペシャル)

藤子・F・不二雄 (ビッグコミックススペシャル)

さすがだなぁ。
作者の大人向け作品の傑作選。
 
大人向けとして最初に書いた作品が、冒頭の「ミノタウロスの皿」だそうな。
日常から物語を産み出す創作力と、作者自身のSFマインドが、大人向けというベクトルで合体すると、こういう作品になる。そのことがやけに納得できるし、納得どころではない出来映えの凄さに感嘆する。
 
自身を打ち崩すかのような「劇画・オバQ」にも圧倒される(昔トリビアで見たか)。
「やすらぎの館」の異様な雰囲気には呑み込まれざるを得まい(ちょっとA・不二雄的でもあるけど)。
「老年期の終り」もアイデアの皮肉さとセンチメンタリズムがいい味で融合していて、読後感良し。
 
安心して面白さ保証の一冊だな。