新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士

5/1 AXNミステリー放映分。

三作目は謀略小説であり、しかもなんと法廷ミステリ?!
 
一作目、二作目とはまたもや雰囲気がガラリと変わったもんだなぁ。
スパイ物なんだけど、冷戦後の世界が舞台なので、このジャンル特有の生き馬の目を抜くような丁々発止は見られない。
ロートルばかりで、なんだか子供返りしたかのように、スパイごっこに高じてるようにすら見えてしまった。
狙いなのかどうかはよくわからないけれど、底辺に流れるコミカルさ。二人向き合って病気自慢みたいなシーンでは、思わず苦笑が漏れちゃったよ。
 
法廷ミステリとしても、このジャンル特有の丁々発止は薄かったかも。
あまり追い込まれた危機感は感じられずに、終始余裕に思えてしまったからかな。これは短い映画という尺に刈り込んでるせいだろうとは思うけど。
ただ充分に痛快感は感じられたから良し。
 
一作目のずば抜けた完成度には到底及ばないけれど、これはこれで及第点の映画だったかな。