新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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星守る犬

星守る犬

星守る犬

届いたその日に、『これって「ナマケモノ」の人だよね』とかみさんから聞かれて、初めて「村上たかし」という作者名が繋がった。「ナマケモノが見てた」「ナマケモノがまた見てた」って、新刊で全部揃えてたくらい好きな作者だったというのに。
いやあ、「泣ける漫画」として紹介されまくってた作品の作者と、下ネタ全開のギャグマンガの作者は、自分の中でさっぱり結びつく要素は無かったよ。なんとなく聞き覚えある気がしたはずだ。そうやって画を見ればたしかにそうだもの。ただ、読む前にあれらの作品を思い出しちゃったから、純真な目で作中のわんこに見つめられても、なんか裏あるように見えちゃうのはどうにかして〜!!
 
ってなことがあったからというわけでもないが、うるってほどは来なかったかな。
作者のあとがきにもあるけれど、こんな「いたって平均的ないいお父さん」が、ほんのわずかな不器用さだけでこんな風にもなり得る世の中。 
この本に対する結論として、これがきっとふさわしいとは絶対思えないけれど、こう言ってみよう。
 
「おばちゃん根性は無敵だ」
 
おばちゃん根性持ってたら、こんな風には絶対になれない。こんな風には思い切れない。しぶといぜ。男らしく生きなくてもいい。しぶとく残ってもいいじゃない。自分の中のおばちゃん属性が初めていとおしく思えたかも。