新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

バカミス・トンミス概念図

昨日の日記の注にも書いたことだが、自分の言葉の使い分けを示すために、私自身がこうだと思っている概念を図で表してみることにした。
それがコレだ。

”ミステリ”の全体領域を薄い水色で示す。
その底辺の方に「こりゃミステリとしてダメだろ」な”ダメミス”の領域がある。これを薄い黄色で示す。
私の言葉の定義としては、ダメミスの領域に入っている作品を”バカミス”と呼びたくはない。そこには友人の命名を頂いて”トンミス”という名称を与えている(トンデモミステリの略語)。
 
バカミス”(濃い青色で示す)にも二種類があって、正統的な領域で突出し過ぎた挙げ句バカミスとすら呼びたくなるもの(バカミス#1)と、別の方向に突出してバカミスになったもの(バカミス#2)である。
同様に”トンミス”(薄い赤色で示す)にも二種類があって、正統的な領域であまりにもダメ過ぎた挙げ句トンミスとすら呼びたくなるもの(トンミス#1)と、別の方向に突出したけどダメでトンミスになったもの(トンミス#2)である。
 
#1同士の差は歴然。ミステリの最上層と最下層なのだから、誰が見ても一目瞭然だろう(ごくごく一部の相当なひねくれ者を除けば)。
問題は#2同士の差。ミステリの正統的な着想とは別方向に突出しているのだから、雰囲気として皆が共有している基準軸が当て嵌められない。こうなると個々人の感性で「ダメ」かどうか判断することになるので、ここの切り分けは微妙。
良い具体例があるので、これで納得して貰えるだろうか。清涼院流水「ジョーカー」は誰もが認めるバカミスだと思うが、あなたならこれをバカミス#2に入れますか、それともトンミス#2に入れますか?
勿論あなた一人なら即答できるとは思いますが、集計するとかなりばらつくと思いませんか?
 
というように#2に関しては難しいところだが、少なくともこの#1同士を同じ”バカミス”という名称で括るのは、やはり言葉の定義としては私は納得できない。これからもこういう主張を続けていこうと思う。
 
次の段階は、それぞれの領域に作品名を入れてもっと具体性を上げたいと思うが、時間がないのでそれはまた別の機会に。
また、この図やここに書いた文は勝手に引用していただいて構いません。”本当のバカミス愛護派”としては、トンミスとの隔離政策や解放運動がどこかで立ち上がらないかと期待しているので。