原書房様からの頂き物。いつもありがとうございます。
2002年度版からこれで9年目、この本にコメント書かせて貰っています。
- 作者: 探偵小説研究会
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2009/12/04
- メディア: 単行本
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いつもの如く読み物としても充実した本ミス。今回は特別な目玉は無かったんだけど、細かいサブ・ジャンル分けでそれぞれ一年間を総括してくれるのが、とっても便利。
とはいえ、本格ファン以外はそうそう手にする機会もないだろうから、自分の投票内容をご紹介。
今年はスタート出遅れてしまったせいで、趣向は海外編のみ。でも、もう趣向のネタが無くなってきてるので、このパターンに戻そうかな。
では、まずは国内編
1 秋期限定栗きんとん事件 米澤穂信
2 六つの手掛り 乾くるみ
3 玻璃の家 松本寛大
4 密室殺人ゲーム2.0 歌野晶午
5 リバース 北國浩二
今年の本格界は残念ながら不
作だった。ミステリとしての個
人的ベストは『鬼の跫音』だが
本格としては数えられない。
不作の飢餓感を活かしてこの
際ダイエットに走ってみるか。
ラノベな雰囲気からのこの仕
打ち。青春残酷物語にまさに身
も細る1。”ど本格パロディ”
とも思える程脂肪をそぎ落とし
た良質の2。3の様に相貌失認
して鏡も取り外しゃ醜い身体も
気にならず。4の不埒な被虐っ
ぷりは減量に最適。5でまたも
や主人公のイタサに身も細る。
ほうら、ダイエット成功!
続いて海外編。
1 死せる案山子の冒険 エラリー・クイーン
2 災厄の紳士 D・M・ディヴァイン
3 幽霊の2/3 ヘレン・マクロイ
4 虎の首 ポール・アルテ
5 二壜の調味料 ロード・ダンセイニ
1はお得意のロジック以上に
まんまと乗せられる他はない犯
人隠匿のテクに驚嘆。読者宛の
問いに勝てない。やはり神。
でる毎に独特の企みに敢え無
く騙される2にも驚嘆必至。
似たトリックがあろうと勿論
利用の仕方次第。思わず仰けぞ
る解決の構図に納得感の3。
4は矢張りへボサ極まってて
も滅多にはない氏独自の出来ま
で伸ばす力業が素晴らしい。
過去の名作数あれど是こその
け反る傑作短編の見本の5。
各行頭と行末の漢字を抜き出
して読めるのが私の本音です。
趣向の答合わせは、続きから。
では、答合わせ。
海外編コメントの各行の頭の漢字とお尻の漢字を、順に抜き出して繋げるとこうなる。
得上乗犯人宛問神毎無騙至似論利仰解感矢極滅来伸晴過是反本各出読音
これを文中の読み通りに読み替えると、こういう文章が現れる。
特上の犯人当てとか見事な騙しに論理の快感や極めつきのバカ、これぞ本格だよね
趣向のパターンを毎年変えてってのは、いつまで続けられるんだろ?