新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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ドニー・ダーコ

10月に購入したDVDで鑑賞。

ドニー・ダーコ [DVD]

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オープニングのシーン、28日6時間42分12秒後にやってくるという「世界の終わり」、時間物だという予備知識、そしたらもう結末はこれしかないだろと思った通りだったので、自分的には全然”大どんでん返し映画”ではなかった。
 
ただ”サンダンス映画祭で絶賛”という冠が付いた映画に非常にありがちの、一度見ただけで全部の辻褄を合わせるのは困難、な映画であることは間違いない。ただこれにも善し悪しがあって、更に上手い下手にやる気有り無しってとこまで組み合わせると、もう色んなレベルの作品がありすぎなんだけどさぁ〜。
 
たとえば考えれば(よーく考えなきゃいかんけど)ちゃんと辻褄が合う「メメント」から、あまりにも複雑すぎてとても普通人には解釈は無理な「プライマー」とかまでなら、それでもまだきっと正しい解に辿り着けるはずと思える。ところが何度でも見たくなる映画にするために、敢えて解けそうもない謎を残す作品も多い。作り手がホントに解を持ってるのかどうかすら、怪しい作品も多い。
 
本作もかなり怪しげ。そもそもエンジンの時間的矛盾自体は説明する気一切無いんだろうから、SFとして綺麗に閉じた作品にはなりっこない。おばばに関してもあまりにも語らなさすぎだしなぁ。まぁ、ファンタジーとしては楽しめるからいいんだけども、綺麗に閉じた世界を求める本格偏愛派としては、やっぱりフラストレーションが残っちゃう作品だったなぁ〜。