コレクション完結した文庫版のうち、40巻〜50巻(最終巻)を読了。巻数が多いので、書影は最終巻のみとする。
かなり終盤に至るまで、刑務所という極端に限定された(その割には意外に行動範囲は広かったけどな)舞台だったことへの反動か、脱獄後のはっちゃけ度合いがとんでもなく凄いな。そこに至るまでで、ちょっと行き過ぎかなというのはフー・ファイターズだけと言って構わないと思うんだけど(プランクトンだぜ、プランクトン)、やはりこの6部の白眉は”ボヘミアン・ラプソディー”&”ヘビー・ウェザー”に、ラスト・バトルの”メイド・イン・ヘブン”だろう。
局地戦でしかなかったスタンド・バトルの常識をひっくり返してきた、これらの展開がぶっとんでることと来たら、もう〜、何をか言わんやって日常語ではない言葉で表現したくなっちゃうほど。
一体どう決着を付けるのやら興味津々しちゃうこの三バトルだが、中でも最もお気に入りは「ヘビー・ウェザー」。効果を描いてる間はあまりにも行き過ぎに感じられて気分は乗らなかったのだが、きっちり折りたためるような謎解きが待っているとは思いもしなかったよ。これこそ収束の美学。
ところが一方、問題のラスト・バトルだが、スタンド能力のアイデア自体は全然OK。DIOと承太郎の能力をふまえてここに到達するのは、大団円を飾るにふさわしい発想だろう。しかしながらやはりこれを収束させずに、発散させ切ってしまったのは大いに疑問。ここまでワクワクと読んできたにふさわしいカタルシスを感じさせて欲しかったよ。5部に続いて(あれよりまだこちらの方がましだが)、やはり問題作になっちゃったかな。
荒木飛呂彦のあとがきが圧巻。「描ききった感」はともかく、「アイデア的に究極に達してしまったのかな?」という危険なうぬぼれがもう何とも。一周し切ったような作者の感覚が、この二周も三周もし切ったようなラストのぶっ飛びにつながっているわけだからなぁ。
でも、やっぱ、ゴールは欲しかったよ。
ってことで順位は、3部>2部>4部>6部>5部>1部。