無頼伝涯 絶海の要塞・人間学園からの脱出編

無頼伝　涯　絶海の要塞・人間学園からの脱出編 (講談社プラチナコミックス)

やっぱりこの巻だけで充分だったかな。話は通じるし、ここまでにさほどクライマックスがあったとは思えない。無実の証拠の謎解きやら、脱獄のハウダニットやら色々あることはあるが、ゲーム漫画・ギャンブル漫画の面白さまでには至ってないし。また少年漫画だからこそこの程度の描写ですんでいるが、極限状況の描き方はなんだかトラウマになりそうなほどエグかったなぁ。下手な絵がますます拍車をかけてるしな。
ところで、「強いカリスマに引っ張られて、弱い凡人達が立ち上がる」ってのが、福本伸行のドラマツルギーの基本のような気がしてきたぞ。零やカイジなんかはまさしくそうだし、天を描くのだってひろゆきを語り手に据えている。氏の描くヒーロー像はあくまでもダークな世界に立つものだからこそ、弱い人間からの視点が必要とされるということもあるのだろうか。