新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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推理の星くん 1〜3巻

「秘密警察ホームズ」は「本格推理まんが」だったが、こっちの謳い文句は「超本格ミステリーまんが!」である。
「本格」とは勿論「本格」であり、たとえば「新本格」なら新しいアプローチであっても、それでもやはり「本格」を目指しているのであろうという意志が感じられる*1。しかし「超本格」となれば、そもそも「本格」を目指しているのかどうかすら怪しく思えてしまう。しかも「!」マーク付き。まだ「?」ではない分、マシかもしれないが。
そういうわけだからかどうかは不明だが、結構としても必ずしも「本格」というわけではない。それが魅力という場合もあるので、必ずしも否定はしないが、私の期待を満たしてくれるような作品ではなさそうだ。
実は最初に手に入っていた3巻を最初に読んでしまっていたせいか(巻を追う度に段々荒唐無稽になっていってるのだ)、あまり好印象は抱けなかった。ギャグマンガのネタの一つ一つを、これはバカミスだって持ち上げるわけにはいかないように、この作品を通常のミステリファンに(バカミスファンにも)お薦めなんて、とても言えないなぁ。本作自体がギャグってわけじゃないんだけど、ネタはソレっぽくなっていってるのだもの。お子ちゃま向けのせいか、暗号(しかもくだらない)が多く扱われてるのも、大きなマイナスポイント。
ところどころトンがってはいるので、取りあえずはもう少し続けてみようか、どうしようか?

*1:国内ミステリの世界では、「新本格」とはむしろ逆に、古いアプローチであったりもしたのだが、それはまた別の話だ。