新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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誕生日はもう来ない

うわぁ、妙〜だ。”傑作”とは決して言わないが、唖然とするシーンが最低3回はあったぞ。
13日の金曜日」の後に量産されたB級ホラーの中には、フーダニット風味が色濃い(つまりは意外な犯人が登場する)作品が結構多いのだが、その珍妙さ(笑)に関して本作を越えるのは稀だろう。
当然ロジックなどと言えるようなものは微塵もなく、無理矢理感は全開なのだが、このぶっとび具合は充分に「バカミス」の条件を満たしているだろう。
しかも実はバカミスの要件を満たすのは、この妙ちくりんなフーダニットだけではなく、も一つ。それがホワイダニット。これが出てきたときには、正直おったまげた。ハウダニットで笑わせてくれるシーンがあるのも乙だ。
くり返すが、本作は決して”傑作”でも”佳作”でもない。でも、愉しめた”怪作”だってことは間違いない。