新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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SRの会55周年記念全国大会オフレポ(番外編)

写真を全然載せてなかったことに気付いたので、第一回〜第四回のオフレポに追加。といっても、ボケボケの紀田氏の写真が一枚(ボケボケは写真にかかってますのでお間違いなきよう)と、座談会の写真を二枚携帯で撮っただけなので、サインやパンフレットの写真で水増し。
 
さて、オフレポの第三回で書きかけた年齢のお話。
今回十数年ぶりに全国大会に参加して改めて感じたのは、SRの会自体の高年齢化は明らかに進んでいるなということだった。約230名いる会員のうち、そのほとんどは購読会員だろうから、全体の構成比はわかりようはないのだが、中心となっているメンバーの状況はこういう大会で見て取れると思う。
SRの会に入って購読会員やってるだけでは、やっぱり満喫は出来ない。地方の方には難しいが、関東・関西で毎月開かれている例会に参加するのが一番のお薦めであり、実際そこで中心メンバーが構成されている。
しかし、たしかに相当の読み手でないと、例会で生き残るのは難しいだろう。にも関わらず、若くしてそれだけの資産(読書遍歴)を持って、参加できる人など稀であろう。結果、新しい血はそれほど注ぎ込まれず、常連会員の高齢化と共に平均年齢が自然上昇しているような印象を受けた。
 
現在、ミステリを共通の認識として集まる場とは、ほぼネット上が主流と考えて良いのではないだろうか。そういう流れでオフ会が開かれれば、少数の例外を除けば、それほど年齢層が高くなることはあるまい。代表的な例で云えば、MYSCONの参加者を見ればよくわかる。今後、ネットから携帯社会へと主たる舞台は移行するのかもしれないが、その傾向が進むことはあれ、逆行することはあるまい。
 
でも、あなたはそれで本当に満足していますか?
周りに合わせた仲良しごっこに多少の物足りなさを感じることはありませんか? 凄い知識を持った人たちと真剣に語り合ってみたいと考えることはありませんか? 教えることよりも教わることの多い方が自分へのプラスになると思いませんか?
 
多分、SRに注ぎ込まれるべき貴重な新しい血とは、本当にそういう資産を持った若者というよりは、そういうことなどものともしないバイタリティーを持った若者なのだろうと思う。凄い人たちの集まりに臆することはない。吸収できるものを吸収しちゃえばいいのだ。たとえばどうしても読みたいけど、どうやっても入手できないような、古本屋で見かけてもとても手の出ない値段が付いてる本があっても、きっと誰かが持ってるから貸して貰える、そんな不純な(?)動機であっても構わない。
SRの会がこのまま使命を全うして消えていくことなく、存在を続けて欲しいし、こういう集団が許容されるミステリ界であって欲しい。ネットでの集まりでは満たされない何かを感じている方は、是非一度飛び込んでみて欲しいものである。