◆直感的『映画』
『映画』って言葉に脊髄反射的に連想する言葉を挙げると、『ハリウッド』『超大作』という言葉になってしまう。スカッと爽快なエンタテインメント。映画を観ている時間だけは、確実にべらぼうな面白さを提供してくれる大作達。
『スター・ウォーズ』『インディ・ジョーンズ』『ダイ・ハード』『ターミネーター』『エイリアン』の各シリーズや、単独作でも『E.T.』など枚挙にいとまはないだろう。
『大脱走』『タワーリング・インフェルノ』『オリエント急行殺人事件』のようなスターを集めたグランド・ホテル形式の映画も、これに通じる作品群なのかもしれない。
これら巨額の制作費をかけた作品群が、多分私に限らず結構一般的な、『映画』の直感像なのではないだろうか?
一方、それぞれにテーマを持って描かれる作品達もまた数多い。というよりも先程のイメージに該当する映画こそがごく少数派で、ほとんどはこちらに分類されるものばかりというのが実情だろうと思う。*1
エンタテインメントな映画も勿論大好きなんだけど、「好きな映画は?」と問われれば、やはりこちらの系統の作品を多く答えることになると思う。いつまでも心に残る映画とは、心のどこかにちりちりとした痛みを与える映画なんじゃないのかな。あるいは心のどこか柔らかい場所に響く心地よさを与えてくれる映画。
『映画』の直感像と、もっと深く思い浮かべるときの『映画』の投影像、この隔たりになんだか『映画』という産業自体が持っている、矛盾というか歪みみたいなものを感じてしまうよ。
◆好きな『映画』
挙げていくとキリがないと思うので、ジャンルを絞ろうと思う。となるとやはり私が選ぶとすれば「ミステリ映画」ってのが妥当な線かと。「幻影の書庫」にも「お薦めミステリ映画ベストテン」というコンテンツを置いているけど、ミステリ映画の”新本格”な時代の作品は全く反映されていなかったから、ちょうどいい見直しの時期なんだもの。結構集中的にミステリ映画のDVD集めたり、TSUTAYAで借りて観たりしてたから。あと何作か見落としている作品観られたら、コンテンツにまとめようかと思ってたところ。と云っても、やはり昔観た作品の方が既に思い出として美化されてたりするので、ベストテン自体は全然変わり映えがしないんだけどね。
では、 行ってみよう!
ミステリ映画ベスト30(『幻影の書庫』選)
★ベスト1〜10(アイウエオ順)
殺しのリハーサル
サイコ
サスペリア2
十二人の怒れる男
12人の優しい日本人
太陽を盗んだ男
探偵〜スルース〜
デストラップ
テラートレイン
ユージュアル・サスペクツ
★ベスト11〜20(順不同)
アイデンティティー
アザーズ
荒鷲の要塞
クライング・ゲーム
シーラ号の謎
SAW
SAW2
ナイル殺人事件
不連続殺人事件
メメント
★ベスト21〜30(順不同)
オールド・ボーイ
CUBEキューブ
トレマーズ
バタフライ・エフェクト
バルカン超特急
犯罪作戦No.1
ヴィレッジ
マジック
八つ墓村
ワイルド・シングス
*1:勿論超大作の中にも娯楽要素以上に、強くテーマを持って描かれる作品もあるのだが、文芸大作は売れないという言葉もあるように、映画の評価と収益とを両立させた作品は少ないように思う。また、とてもテーマなんかあるとは思えない、単に消費されるだけの映画も、これらと同列に入れていいのかという話もあろうが、ここではそういう作品は無視という立場を取らせていただこう。