新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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指定バトン『映画』Part2

この『映画』 に感動

  • 初めて感動した『映画』 … 人生を通じて好きになれるものに出逢った時、そのことを意識し始めた初期に触れたものって、いつまでも心に残ると思う。自分が『映画』の感動を初めて理解したのが、きっと『禁じられた遊び』だったと思う。だから、これが生涯のマイ・ベスト映画なのだ。
  • 「映画って面白ェ〜!」と感動した『映画』 … エンタテインメントとしてのマイ・ベスト映画は、『大脱走』だろうと思うし、多分生涯で最も回数見ている映画もこれだ。見る度に毎回、今度こそきっとマックイーンは鉄条網を飛び越えるに違いないと手に汗を握るのだが、残念ながらまだ成功した場面に立ち会えたことはない。でもきっと彼はいつか飛び越える……
  • 女優って美しいと感動した『映画』 … 女優が綺麗だというのはいわば数学の定理みたいなもので、それは単に受け入れるだけで感動の余地などないと思っていた。バーグマンなんかその代表格のはずだった。でも『誰がために鐘は鳴る』、短髪で美をそぎ落とすような格好で、それでいて、いや、だからこそだったのか? 純粋なまでに”美しい”ってことがあり得ることに、初めて感動したんだった。
  • ドッキドキに感動した思春期『映画』 … おませな子供時代から、青年時代にかけても、「年上の女性に手ほどきを受ける」ってシチュエーションが大好きでね。『青い体験』シリーズなんかはバイブルみたいなものだったよ。中でも最高に好きで、映画としての感動も同時に与えてくれたのが『おもいでの夏』 役者も音楽も原作も瑞々しくて切なくて、マイ・ベスト思春期映画。
  • 「映画って凄ェ〜!」と感動した『映画』 … 大学時代に打ちのめされたのがフェリーニの『81/2』だった。多分本当の凄さなんか少しも理解できてないんだろうけど、映画館で観てそのまま席を立てずに、続けてもう一度観てしまった。自分としてはこんなことは後にも先にも一度きり。”本格”における『リラ荘事件』のように、「『映画って何?』の答となる映画をあげよ」と問われたら、迷わずにこれを選ぶはずだ。
  • 「邦画だって面白ェ〜!」と感動した『映画』 … 三作ほど挙げてみたい。まずは初めに黒澤って凄いと思ったのが『隠し砦の三悪人』だった。今でもエンタテインメントの鑑だと思う。こいつは絶対に日本映画を変える!と確信したのが長谷川和彦太陽を盗んだ男』だった。変えられる男だと思ったのに、この後彼がメガホンを取ることはなかった。もう一作が、絶対にこれも外せない森田芳光家族ゲーム』 圧倒的な”センス”で見せる映画人の登場は衝撃的だったな。
  • 「邦画は凄ェ〜!」と感動した『映画』 … 前項と微妙にニュアンスが違う。あちらはまだ洋画と比べて、という微妙に卑屈な感情が込められていたのだが、こちらは自信満々。……と振る割には当たり前すぎる選択なのだが、それでもやはり邦画といえばこれだろう、『七人の侍』 中学時代にTVで見たときにはどこがいいのかさっぱりわからなかった。大人になって本当に観ることが出来て、凄さに身体が震えたよ。どのベスト表もそうであるように、マイ・ベスト邦画もやはりこれしかない。