新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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春風のちっちゃなお話

昨日関東地方では、春一番が吹いたらしい。
そんな春の風にちなんだ、ちっちゃなちっちゃなお話を一つ。『おひさま』という読み聞かせ雑誌の『ぽかぽか童話』という短命な(苦笑)企画で、佳作を戴いた作品(でも本誌には名前のみで作品掲載は無し。サイト上で掲載されただけでした)

   かぜこぞう
 
まどを たたく おとが したんだ
 
まどを あけたら、そこに かぜこぞうが いたよ
「おれは かぜこぞう」
そういったから、まちがいないさ
「ぼくは ゆうた、でも かぜって やだな
こがらしなんて さむいんだもん」
かぜこぞうは すこし さみしそうな かおをしたよ
 
それから いっしょに あそんだんだ
そりゃあ もう すごかったさ
うちじゅうの おもちゃが
てんでばらばらに なっちゃって
あとで おかあさんに
こっぴどく しかられたほどさ
 
かえりぎわに かぜこぞうが いったよ
「こがらしの かぜこぞうも
とっても いいやつ なんだぜ」
 
そのひ、にわの さくらに
さいしょの つぼみが できたんだ
 
きっと ともだちおもいの
はるいちばんの かぜこぞう だったんだね