新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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LIAR GAME 2巻

LIAR GAME 2 (ヤングジャンプコミックス)

LIAR GAME 2 (ヤングジャンプコミックス)

最近は出版情報も評判も事前に入手でき、購入もネットから。リアル本屋に立ち寄る必要もないのでは、と錯覚することもあるのだが、いやいやまだまだ自分自身の眼による陳列棚検索能力が優ってしまう場合もあるのだ。そうそうバーチャルな世界に閉じこもるわけにはいきませんぞ。
本書は完璧に前知識ゼロで、本屋での出逢いのみで購入を決めた作品。「ふっふっふ、まだまだ俺の本格アンテナは錆びちゃいないぜ」と豪語してみたくなる。
22人で各自1億円の掛け金を奪い合うゲーム。ルールは”少数決”。YESかNOで答えられる質問に答えて、少ない方のみが生き残る。こんな単純なルールに、まさかの必勝法が存在するのだ!
論理パズルとしても非常に秀逸なのだが、数度の逆転で盛り上げるエンタテインメント性もある。言葉の伏線もきっちりと貼ってあったり、なるほどとがくがくと頷いてしまうくらい単純明快な心理的伏線もある。これは”本格”のラベルを貼ってもいいだろう。
絵柄はとても褒められたものではないが、予想を大きく越える吃驚の掘り出し物だった。おそらくこれだけで想像がつくと思うが、まんま福本伸行の世界。原作者に名前が載ってないか気にしてみたほどだ。福本作品やパズル系のミステリを好む人にお薦め。