夏を取り戻す

夏を取り戻す (ミステリ・フロンティア)

夏を取り戻す (ミステリ・フロンティア)

ミステリ・フロンティア100冊刊行記念特別書き下ろし。
 
そういう特別感を出したい作品としては、とってもイマイチに感じられた。
 
出てくるトリックはどれも小粒。
本格ミステリとして捉えてしまうと、とても弱々しい作品。
 
ただ、やはり、レーベルとしては、そもそもが
若手作家による、新風を吹き込むような、清新な作品を望んでいるんだろうし、
本作も「爽やかな青春ミステリ」という扱いなんだろうと思う。
いかにも「そう書いてるでしょ」という作品に思えるし。
 
でも、なんか自分的にはとっても収まりの悪い作品だった。
 
そもそもの「夏を取り戻す」というタイトルの意味合いが
読後にはまるっと印象が変わるんだろうという期待感で読み始めたのに、
ダブルミーニング的には機能せず、主の目的を全く表現できていないために、
ポケモン進めたい」の同義語から大して抜け出してくれなかった。
 
少年少女もそんな風だけど、若者側の葛藤に至っては更に輪をかけて描けてない。
結果的には丸く収まってるけど、それは作家的都合ってだけで、
登場人物の心理面、道徳面として、全然決着が付いた話ではないと思うんだけど。
なんかすごくしこりが残ったままだった。
 
このエピローグだって「いい話」アピールを更に煽ってるんだけど、
作品的にそうなりきれてないと思えるから、そうじゃない感。
 
採点はもう5点にしちゃおう。自分には向いてない作者なのかもしれない。