新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

勇者の案内

昨日は妻と一緒に新百合ヶ丘まで歩きing。

1.はまだ1巻読んでないけど、なんとなく良さげな気がしたので、2巻も。2.は古事記をはじめとする神話、神社参拝の極意や全国の開運神社についてマンガで解説してくれる本。
 

エグザム

TSUTAYA西友町田店の半額クーポンにて鑑賞。これが最後。

エグザム [DVD]

エグザム [DVD]

  • ルーク・マブリー
Amazon
 

試験のルールは3つ
①試験監督、または入口に立つ警備員に話しかけてはならない。
②試験用紙を破損してはならない。
③部屋から出てはならない。

 
試験用紙を裏返すと、それは白紙。
質問は一つ、答えも一つ。
 
シナリオだけで魅せる、低予算映画。
これだけのワン・シチューエーション、舞台は一室のみ、
登場人物も全員で10名。
 
まぁ、これだけの状況の割には、色々と次から次に
展開していくのは、なかなかに上手いシナリオと言えるだろう。
丁々発止の騙し合いみたいな展開は意外に少なかったけど。
 
失敗したら殺されるというような話じゃなくて、
失格になって退場させられるだけなので、安心して観られるのは良し。
 
ただなぁ、結局最後に質問は見つけられるわけだけど、
ここが一番拍子抜け感があったかも。
 
ってことで、最終的にはちょっと微妙だったかなぁ。
 

復讐者に憐れみを

TSUTAYA西友町田店の半額クーポンにて鑑賞。

 
オールド・ボーイ」「親切なクムジャさん」に先駆ける、復讐三部作の第一作。
 
語り口のユニークさは、まだそう強くはないな。
終始、どことなく諧謔性をはらんでるってところは、充分に片鱗を感じるけど。
 
コメディと表裏一体化した暴力の残酷性って奴は、
ニュアンスは違うけど、少しは感じられる程度。
特にラストの展開とか。
ただ、本作ではより残酷性が勝ってるように思えるけど。
 
復讐が交錯し、連鎖する、この作品。
 
そういうこともあって、ニヒリスティックな雰囲気で、
その顛末を見せつけられる、という印象を受ける作品なので、
鑑賞後感としては、あまり気持ちの良いものでは無いなぁ。
そこまで、凄いもん観たぞとは思えなかったしね。
 
三部作の中では、やはり一番劣る感じだったな。
 

アメリカン・ビューティ

TSUTAYA西友町田店の半額クーポンにて鑑賞。

 
映画として、明らかに他の作品とは違う“テイスト”とか”雰囲気”を持った
作品というのが時々あるが、まさに本作はそういう作品。
 
一つ一つは、映画でよく描かれる題材ばかり。
夫婦の断絶(弱い夫と強い妻、支配する夫と無気力な妻、不倫……)
親子の断絶(父娘の断絶、支配する父親と従順なふりをする息子、家出……)
LGBTの問題、Dragの問題、未成年の性……
 
だけど、その描き方が独特で面白い。
 
シナリオとしての切り口でも、
語り口(表現の仕方)としての切り口でも、
そのどちらもにおいて、実に魅力的な作品。
 
だからこそ、なんだか唯一無二な作品として仕上がってると思う。
 
ストーリーとして優れているとは全然思わないんだけど、
一本の映画として、総合的に印象にいつまでも残るような作品だと思う。
 

トールマン

TSUTAYA西友町田店の半額クーポンにて鑑賞。

 
いやあ、とにかく、この中盤のどんでん返しに唖然とさせられた。
 
これは久々にしびれたなぁ。
 
世界がくるっと反転して、違和感のある描写に説明が付けられる。
ただ、そこには「何故」の解答が無い。
 
後半はそれを巡る物語になるわけだけど、
これはかなり賛否両論だろうなぁ。
 
真相がわかっても共感できるはずも無い。
こんなひとりよがりな……
 
ホラーかと思っていたら、まさかの社会派なんだものなぁ。
 
監督も「はい、こんな真相だったんですよぉ~」で終わらそうなんて
これっぽっちも思っていない。
それなら、あんな風な母親の描写は不要だったはずだから。
 
問題意識の提示で、考えることを試される。
 
う~ん、こんな鑑賞後感は期待してないってば。