新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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TSUTAYAの新作・準新作5本1,000円で鑑賞。
全部新作で選んだんだけど、中で流れる予告映像見て、
1本は「若おかみは小学生」を選べば良かったと小後悔。
(アニメは別フロアになってるから気付かなかったよ)

 
全編がPC画面の中で展開されるという、
語り口が売りの作品だと思って油断してたら、
なかなか練られた脚本だったことに、心地よい驚きを感じることができた。
 
メメント」や「ユージュアル・サスペクツ」のように、
優れたサスペンス映画は、語り口のユニークな作品こそ特に、
そのプロット/ストーリーも素晴らしいという、
良き前例に、また新しい一例を加えてくれたと思う。
 
こういう新しい見せ方って、近年ではサスペンス映画もしくは
ホラー映画(ただし、こちらも序盤で謎が提示される作品が多い)
から始まることが多いように思う。
昔はちょっとぶっ飛んだ若者達を描く青春映画が、
そういう新しい切り口を開いていってたようにも思うけど。
この辺真面目に考察すると、ちょっとした映画論の入り口になるんじゃないのかな。
 
とにかくPC画面の中だけで、どう映画を成立させるのか、
という興味を満足させるだけでなく、
きっちりとしたサスペンス映画の骨格が盛り込まれてて、
驚きのどんでん返しも味合わせてくれるだなんて、もの凄く儲けた気分。
しかも嬉しいことに、後味の良い作品でもあった。
 
前者の興味では、カーソルやタイピングの動き(スピードも含めて)で、
感情の動きすら表現するという小技もお見事だった。
 
新しい手法の名作サスペンスに脱帽!

クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん

04/21 テレビ朝日放映分。

 
オトナ帝国、戦国大合戦と、続けざまに感動させられて以来、
長らく遠ざかっていたけれど、久しぶりに見た本作でも、
やっぱりオトナ心を射貫かれてしまっちゃった。
 
いやいやまさかの、ちょっとした驚きの展開。
前半のギャグやアクションを愉しんだ後に、
後半では意外とシリアスなSF的葛藤が描かれることになるのだから。
 
イーガンに代表される近現代SF作家の描く未来世界のように、
人格すらもデジタル化/モデル化により複製可能となった世界での、
アイデンティティの問題。
 
生理的に受け入れられない旧人類達(みさえ)と、
柔軟に許容出来てしまう新人類達(しんちゃん)という、
対立の構造すら、うっすらと示されていたりもする。
 
意外に大きくて深いテーマなんだけれど、それを”家族”という
一番ミクロで、親しみ深い構図の中に置かれてしまうので、
自分の問題として捉えざるを得なくなる。
 
それも選ぶ側、選ばれる側の両方の視点から共感できちゃうので、
もうとーちゃんとしては、まぶたの裏を感傷がチクチクしてくるんだってば。
 
やっぱ、しんちゃん、侮れんなぁ。

ちはやふる~結び~

03/29 日テレ1放映分。

 
それぞれのキャラが立っている、あの原作を実写化するのは、
困難なミッションだったと思うが、比較的成功してるのではと思わせてくれた。
デフォルメされた個性は、実写化で失われているが、
うっすらと残しつつ、上手く映画世界に馴染ませてあったと思う。
 
原作そのものを過度に求め過ぎなければ、
これはこれで青春映画の三部作として、しっかり成立してるように思えた。
 
長期連載をこの尺に収めるので、駆け足感や都合良く上手くいきすぎ感が
出てしまうのは、いたしかたないところだろうと思うし。
 
で、三部作の締めである本作だが、
ちゃんと原作のエピソードを生かしつつ、オリジナルの展開で、
劇的なクライマックスを演出出来てたんじゃなかろうか。
 
そのものは描かなくても、「ちはやふる」のその後が見えるラストシーンも
あやふやな逃げではなく、好感を抱いた。
 
キャスト発表時の落胆感を巻き返してくれて、ななか良い三部作だったと思う。

相棒 劇場版IV -首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断-

03/24 テレビ朝日放映分。

 
劇場版としては、いつもの出来映えといったところか。
 
劇場版ならではのスケール感と、お馴染みキャラの再登場のお楽しみ。
そういうエンタメ要素がメインになってるもんだから、
逆にミステリ要素や推理の面白味が犠牲になってるのも、いつもと同じ。
 
予定調和的に安心して愉しめるというのが、劇場版全般としての狙いなのかなぁ。
フーダニットのとこなんかは、おそらく誰もが皆の想定範囲内で、
ええ、でしょうとも、と心の中で突っ込んだ人が大多数だろう。
 
その分、ホワイダニットに関しては充分に描きこまれてて、
鑑賞後の後味としては悪くない作品だった。
 
いつかは推理に振り切ったような映画版を見てみたいなぁ。
 
ミステリ作家にもファンの多いドラマだから、コナンとかみたいに、
そういう人に原作任せてくれるといいのに。
ノベライズ書いてる鳥飼否宇なんか、いつでもレディ状態だろうし、
大倉崇裕とか、大ファンを公言してる作家も多いと思うから。
(そのまんま大倉さんだと、コナンと被っちゃうけどね)

兄シャアに恋する生存者百万のドラえもん

妻と一緒に町田まで買い出しに。3日から始まってるブックオフ20%引きセールに遅ればせながら参戦。

1.はこういうセール中に最新刊が残ってたとはラッキー。15巻も欲しかったけど、そう上手くはいかん。2.~4.は以前1巻だけ読んでたもの。5.はかれこれ40年近く恋し続けてる自分には無用かもしれないけど、帯裏マンガの妻の方言に親しみを感じて。6.は騙された! 『このミス』大賞作が単巻でダイジェスト的に読めるならいいやと思って買ったのに、「次巻へ続く」だなんて、まるで詐欺商法。ナンバリングに関して、出版社としての内規無いんもんなんだろうか。少なくとも宝島社は今後要警戒だな。7.はマンガ大賞2016の第五位作品。上巻は別途探す。8.はまたチェックを怠ってた。以前同じく上巻だけ買ってるやん。買う前に日記を検索すべきだったよ。